ローリングストーンズの魅力について
AFTERWORD
私は、ローリング・ストーンズのレコードのコレクションをしている。音の出るストーンズのディスクなら何でもコレクションしているため、必然的にブートレッグもその対象となる。
もちろんその数は、正規盤のコレクション数に比べれば三分の一くらいの量でしかない。
しかし、世の中の人やマスコミは、私のコレクションというと、なぜかブートレッグにこだわり、珍重したがる。そんな時、私は心の中で、正規盤のコレクションのほうがブートレッグよりよっぽど大変なのに・・・・・と思う。
音楽ファンの中にもブートレッグを偏重する人たちがいる。Aというアーティストのファンであるにもかかわらず、Aの正規盤よりもブートレッグのほうが揃っている量が多かったりする。そして、ブートレッグを持っているほうが、よりマニアックであるかのように自慢している。しかし、それは大きな誤解である、と私は言いたい。
コレクターの本質は、いつでも、どこでも、誰でも、自由かつ平等に入手できるディスクをきちっと100%コレクションすることである。いずれ、それらのフォーマットは年月を経て、絶盤となったり、規格替え/ジャケット替えになるケースが増え、コレクターズ・アイテムとなるのだ。
その点、正式なマーケットや標準的な小売価格も設定されていないブートレッグは、その内容も、次から次へと同内容でもジャケットだけ替えて、コピーされる。もちろん、潤沢な供給も保証されていない。もう不平等だらけである。そんなものを何枚持っていようが、対外的に自慢できるような代物ではないのである。
このディスコグラフィーを実現化するうえで、さまざまな谷や山を越えてきたが、本著は現時点におけるそれらのフォーマットを統括/整理し、その実体を知ってもらうために監修した。興味のある人が個人的に楽しむのを妨げようとは思わないが、ゆめゆめ雑誌等でクレジットされている「コレクターズCD」などではない。
1992年8月
中野D児
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